120年ぶりの民法改正と不動産賃貸借契約
我が国の民法が、来月4月1日から改正されます。
これは2017年5月26日参議院本会議で可決成立した「民法の一部を改正する法律」で同年6月2日に公布されました。これは通称「120年ぶりの大改正」と呼ばれ、明治時代に制定されて使われ続けている現在の民法が、現状や国際的なルールにそぐわなくなって来ているからです。
アパートやマンションを借りる場合など、不動産賃貸借契約においても大きく変わります。
不動産賃貸借契約を締結する場合、連帯保証人を指定(依頼)するのが一般的でしたが、従来の同制度は賃借人と同等な債務でした。家賃滞納など未払金が発生した場合には、契約上本人が借りたのと同等となるため債務の全額保証責任がありましたが、今後は契約書に定めた保証の限度額のみとなります。
今後は誰かに連帯保証人を依頼した場合、保証額が数字として金額設定されているため嫌がられることが予想されますので、保証会社との契約(保証料が必要となります)や、家賃のクレジットカード払い(カード会社が信用保証する)が増えてくるでしょう。
また、退去時の現状回復費用やルームクリーニング費用についても、国土交通省から発表されたガイドラインに沿わなくてはいけません。
原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。
原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化し、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。
つまり、不当な請求については拒否できます。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
本年3月31日以前の契約については契約更新時に変更となりますが、自動更新など期間を定めていない場合は、退去まで従来の法律が適用されますのでご注意下さい。